鳥取の芸術、世界の芸術
“何がリアルか”をめぐる、美術家たちの挑戦の軌跡
対象を「リアル」に表現することは、美術家たちにとって大きな課題でした。
洋の東西、時代を問わず、美術の中には迫真性や写実性に向かう一つの方向性が認められます。
しかし印刷術や写真術が発明され、私たちが目にするイメージが機械によっても複製、再現可能であることが明らかになった後、美術家たちは別の「リアル」を探求することになります。
見えるままの「リアル」ではなく、絵画において可能な「リアル」、合理性の背後に広がる「リアル」を超えた光景、奇抜で誇張された「リアル」、あるいは日常や生活の中の「リアル」。
この展覧会では江戸絵画から現代美術、国内外のさまざまな作家によって制作された約 180点の作品を「リアル」をキーワードとして読み解いていくことを試みます。
「リアル」の意味を限定することなく、それぞれの作家、作品にとっての表現の必然性、美術の多様な可能性と読み替えることによって、鳥取県立美術館がカバーする広い範囲の美術が独自かつ一貫した視野の中に浮かび上がってくるでしょう。
県立としてはほぼ最後発となる鳥取県立美術館の開館にあたって、当館のコレクションを日本各地の美術館、関係施設から借り受けた名品の数々とともに展示することによって、もう一度コレクションの骨格を確認するとともに、これからの美術館の未来を見通す機会としたいと願っています。
「リアル」という視点を得て一新される美術という営みの奥行きを皆様の眼でお確かめください。
■住所 鳥取県倉吉市駄経寺町2-3-12
鳥取県立美術館
コテージから車で40分です
※夜間開館日(5/3(土)、6/14(土))は21:00まで
■観覧料(団体・前売)
一般 1600円(1250円)
学生 1000円(800円)
高校生 500円(400円)
小中学生 300円(240円)
※未就学児、障がいのある方・難病患者の方・要介護者等及びその介護者は無料
※企画展チケットで当日コレクション展もあわせてご覧いただけます