「ピーターパン」コテージのお話

《全11棟の中で一番大きい「ピーターパン」コテージのお話》

 

岡山ひるぜん貸別荘ピーターパンのルーツは今から28年前(1995年)までさかのぼります。

今では形も大きさも様々な11棟のコテージがあるピーターパンですが、始まりは一棟のログハウスでした。
大阪で普通のおうちに住んでいたオーナーがログハウスの魅力に取り憑かれ、蒜山でログハウスを建てた経緯をお話しします。

 

 

 

「丸太を組んで家ができるらしい」と聞いて、和歌山県の山奥で木を切り倒し、木の皮を手作業で剥き、家を作ろうとしている方を訪れたことがきっかけだった。

そこで、たった一本の丸太のたった一筋の皮を剥くことにさえ、とてつもない労力と途方もない時間がかかることを知った。
そうやって人の手によって時間をかけて作られるログハウスの魅力に取り憑かれ、ビッグフット(現:BESS)というログハウス専門メーカーに施工をお願いすることになった。

 

ビッグフットはカナダにサイト(専用の敷地)を所有しており、そこでプロのログハウスビルダー達が木の切り倒し、皮剥き、ノッチの切り込みまでをしている。
そのサイトで屋根以外の四方の壁をくみ上げ、家の形を作り上げる。
日本にやってくる前にいったんカナダで建てているんですよ!
数百を越える数の丸太を用意し、窓や玄関、個室など出来上がり通りに組んで、一本一本に番号をつける。それを解体して、船に積む。
ピーターパンのログはこのように作られてバンクーバーの港から出発した。

 

 

■ハンドカット
太くて長い丸太を職人がひとつひとつ加工&積上。現在では大変貴重。
ピーターパンコテージがこの工法。

 

 

■マシンカット
コンピューターと機械で丸太を加工。現在の主流。大量生産に向いている。
ローズ、クリスマスコテージがこの工法。

 

 

木はスプルースという木。ピアノに使われていると聞き、気に入ってそれを選んだ。
木の太さは、一本一本まちまちで、ノッチ部分の木の切り口が部屋内部からも触れるので、年輪を数えることができる。
太いものは直径30〜40センチあり、年輪も100を超える。

カナダの森で100年かけて大きく育った材に住ませてもらってると思うと心に染み入る。
ピーターパンに宿泊の際には、ぜひ実際に年輪に触れながらカナダの大自然に想いを馳せてみて欲しい。

 

 

年輪

 

木一本が、家の外壁であり内壁であるため、断熱が良い。

蒜山に来た年、冬の寒さも大したことないと感じたが、これはこの太い丸太達に守られているからだ。
さらに、木は切られた後も湿気を吸ったり吐いたりする。湿度も調節してくれるのだ。

ログハウスの二階に濡れたタオルなどかけておくとすぐ乾いている。

 

ピーターパン2階

 

建ててから10年間は、セトリングといって木が乾燥するため一本ずつそれぞれが数ミリ細くなり、壁全体としては10センチ程沈むのである。
ログハウスはそれを見越して壁が下がっても良いように建具に独特の施工を行う。

それでもドアが開かなくなるなどあちこち手がかかり、これこそログに暮らす醍醐味。

 

ログの魅力

 

ピーターパンはたってから28年。

外壁は数年ごとに塗り替えが必要で、なかなか手間のかかる家ではあるが、木でできているので、後からバーベキュー用のベランダを作ったり、壁を塞いでみたり、楽しむ余地がたくさんある。

 

 

 

 

《ピーターパンコテージの魅力》

コテージに入ると一階ロビーからダイニングにかけて見事なアーチでお出迎え。
ログビルダーの腕の見せ所であるアーチカット。ログハウスでしか見ることのできない装飾。
個性が出る箇所なので他のログハウスを訪れた際もぜひチェックしたい。

 

 アーチカットロビー

 

アーチカット

 

 

1階の2つの寝室はログ壁に囲まれていて、どしっと落ち着いた寝室。木一本が、家の外壁であり内壁であるため、断熱が良い。
外の温度の影響を受けず、遮音効果も高い。ログに守られた空間を楽しんでいただきたい。

 

寝室

 

こちらはキッチン&ダイニングのアーチカット。重くて迫力のある石の壁もログの力強さにぴったりマッチする。

 

キッチン

 

 

2階の3つの寝室は大きなピーターパンの屋根裏にあたるが、2階だけでも天井高が4〜5メートルあり、十分な居住空間。
3部屋のうち2つの部屋には梯子で登れるロフトがついており、屋根裏部屋のそのまたロフトということで秘密基地感満載。

 

 

2階読書スペースと寝室3部屋には開け閉めできる天窓があり、広い室内を明るく照らしてくれるのである。
さらに夜には星空を見上げることもできる。

 

ピーターパン 読書

 

2階の部屋の蒜山三座側の窓はドーマーに。ドーマーとは屋根に突き出している小さな三角屋根が付いた窓のこと。「屋根窓」ともいう。屋根裏部屋の採光にもなる。
蒜山三座を望む特別な窓として理想通りに仕上がった。

 

ドーマー

 

 

 

🎄ヒーリング効果
ログハウスは、いわば森林浴の出来る住まい。人が吸い込むとリラックス効果がある『フィトンチッド』が満ちていて、まるで森の中にいるような気分に。
また、年輪や木目はやすらぎや安心感といったヒーリング効果ももたらす。ログをじっくり観察して過ごし、身体も心も元気に!

 

 

🎄時間が経つほどに美しくなる
ピーターパンコテージが蒜山にやってきて28年。
長い年月が経った。
外壁は数年ごとに塗り替えが必要で、なかなか手間のかかる家。
家族やスタッフ、業者の方たちと丁寧に丁寧に手入れして維持してる。
人間に人間味が出てくるように、ログハウスも深みを増す。月日が過ぎるうちに内側の木肌は飴色になり、新築には出せない深い味わいに。

 

 

 

 

手をかけることで熟成していく、この先も楽しみな家。
なんと言っても木でできているので、後からバーベキュー用のベランダを作ったり、壁を塞いでみたり、変化を容易く叶えることができ、まだまだ楽しむ余地がたくさんある。
樹齢100年の木の家ですから、200年くらいは大切に住み続けたい。

 

春のピーターパン